腸炎疑いと言われたけれど、実は虫垂炎!【体験談1】

病気の体験談

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次男が再度虫垂炎になりました。以前虫垂炎を発症してから1年9ヶ月後でした。その時の様子を記載します。

以前虫垂炎を発症した際の記事はこちら

虫垂炎は盲腸とも呼ばれ、日本人の7%ほどが生涯のうちに経験するとのデータがある、頻度が決して低くはない病気です。

しかし、この虫垂炎は診断が難しく、放置すると数日で虫垂の壁が破れて、腹膜炎を起こしてしまうことがあります。重症化すると命に関わることもあります。また、基本的に自然治癒することはありません。どなたかの参考になると嬉しいです。

幼児期の虫垂炎は学童期と比較すると高率ではないものの、穿孔率(壁が破れて中の菌がお腹の中に広がる)が高いです。

小児虫垂炎の穿孔率は15.9〜34.8%、なかでも幼児期の穿孔率は学童期と比べて高率です。日本の文献で症例数が多い結果では、幼児期の穿孔率は学童期の2倍、37〜71.9%となかなか高い確率です。

参照:エビデンスに基づいた子どもの腹部救急診療ガイドライン2017p55/公益財団法人 日本医療機能評価機構

虫垂炎についてまとめた記事です。

発症時の様子

病院を受診するまでの様子を記載します。

最初に気づいた変化

朝はいつものんびりしている次男ですが、遅刻しそうな時間までゆっくりしていたため、「急いで学校に行くよ」と一緒に急ぎ足で学校へ向かったのですが、走ると「お腹が痛い」と言い、急ぐのが難しい様子でした。「お腹のどこが痛い?」と聞くと、「真ん中」と答えていました。

朝ごはんはトーストを少し食べ、特にお腹が痛い、きついなどの訴えはなく、いつも通り過ごしていましたが、走ると痛がる様子が以前発症した虫垂炎を思い出し、嫌な予感がしました。

 

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学童からの電話

学童から職場に「〇〇くんが、きついと言っています。熱を測ったら37.2℃とそんなに高くはありませんが、休ませています。」と電話が入りました。朝お腹が痛いと言っていたのが気になっていたため、すぐに迎えに行き、病院を受診しました。

かかりつけ病院受診

かかりつけの病院は予約でいっぱいだったのですが、虫垂炎になっていないか気になったため、診察してほしい趣旨を伝え、受診しました。

病院に行った時には、熱は35.9℃と全くありませんでした。お腹は痛いと言っていましたが、抱え込むほどの痛みはありませんでした。

以前虫垂炎になり、保存的加療(手術はせずに抗生剤を使っての治療)をしていたことも伝え、超音波検査が行われました。お腹の中を見ると、便がいっぱいとのことでした。気になる虫垂は腫れていないとのことでした。

整腸剤とカロナールをもらい、家に帰りました。

発症日の夜

家に帰って特に痛がったりする様子はなく、吐き気もありませんでした。食欲もいつも通りです。煮魚やドライカレー、トマトをいつも通り食べました。食後に整腸剤を飲み、お風呂に入りました。

そして、便が出ました。硬めの便が少しだけです。便が出た後に「まだお腹、痛い?」と聞くと、「痛い」と。そして、お腹の右側を押さえてから離すと「離した時の方が痛い」と。そして、歩き方がなんだか変でした。いつもと違う、左右で同じ動きをしていないなと感じました。

しかし、痛くて眠れない、吐き気がして気持ち悪いなどはなく、いつも通りに寝てくれました。

翌日救急外来受診

翌日、まだお腹が痛いと言うため、どうしても気になって早朝から救急外来の小児科を受診しました。お腹を押さえると痛いと言いますが、嘔吐や発熱はありません。

虫垂炎を疑う症状は右下腹部痛、食欲不振、発熱、下痢、嘔吐と多くあります。その中でも、痛みの移動(最初はお腹の真ん中辺りを痛がり、その後右下腹部へと移動する)、下痢、反跳痛(押した時よりも離した時の方が痛がる)は虫垂炎に特徴的な症状です。

虫垂炎診断におけるスコアリングというものがありますが、我が子の場合反跳痛1点と右下腹部の圧痛2点と3点しかありませんでした。

表1:スコアリングシステム

* エビデンスに基づいた子どもの腹部救急診療ガイドライン2017 より
* active observation:経口摂取禁止の状態で輸液を行い4~8時間おきに身体診察や 白血球数、好中球数などの検査を繰り返すこと

図1:アルゴリズム

* 合計スコア7点以上で急性虫垂炎と診断
* Samuel M. Pediatric appendicitis score. J Pediatr Surg. 2002;37(6):877-881.

あまり痛がっていない、そして昨日は歩くのに違和感があったのに、今日は普通に歩いていました。また、座っている時に足をバタバタさせたりもしていました。けれど、私がどうしても気になるため、検査を行ってもらいました。

検査の様子

虫垂炎の診断には、超音波検査、血液検査、造影CT検査が行われます。この中で子どもに一番負担がない検査は超音波検査のため、まずは超音波検査が行われました。

超音波検査

ベッドに横になり、お腹に超音波機器をあて、「ここが痛い?押さえるとどう?」などと聞かれながら検査します。

虫垂がある右下腹部を観察すると虫垂が7mm(6mm以上が肥厚)と肥厚しているのが確認されました。虫垂の壁構造は保たれており、壁が破れて周囲に膿ができる膿瘍はできていませんでした。そこで採血と造影CT検査が追加されました。

血液検査

造影CT検査のルート確保や抗生剤点滴のことも考え、利き手とは反対の手背から採血されました。針を刺すため痛いですし、手背はさらに痛いところです。泣きながらの採血でしたが、看護師さんが頑張ってくれました。

炎症反応の白血球は7000と正常範囲、CRPの値は0.9と微増でした。他に大きな異常はありませんでした。好中球の増加もありませんでした。

造影CT検査

超音波検査で虫垂炎が疑われたため、造影CT検査を行うことになりました。造影CT検査は被曝の心配がありますが、虫垂炎の程度を正確に判断するために、腹部全体を把握するために行った方がいいでしょうとなりました。

しかし、被曝量を減らすために造影CTのみ実施することとなりました。造影剤による副反応が出た場合、先生がすぐに処置できるように先生が救急セットを持って検査に付き添ってくれました。

息子が一緒にCTの部屋にいて欲しいと言ったため、私も防護服を着てそばに付き添いました。しかし、妊娠している可能性がある場合には部屋の外にいたほうがいいです。ウイーンと機械が動き、「息を吸って、止めて」と言われるのをしっかり行ってくれていました。

造影剤を入れると体がカアっと熱くなりますが、「なんか熱くなった」と言ったくらいで、蕁麻疹やアナフィラキシーショックなどの副反応は出ずに済みました。

検査の結果

超音波検査、造影CT検査ともに虫垂炎が疑われるため、小児外科にバトンタッチされました。小児外科の先生からもお腹を触られたり、症状を聞かれたりしました。そして、CTや超音波検査の結果について説明されました。

あまり痛がってはいないけれど、超音波でもCT検査でも虫垂は腫れており、急性虫垂炎と思われます。前回発症時よりも炎症が強いようです。慢性的に炎症があり、今回便秘を契機に虫垂炎が再発したそうです。

「今回は手術しなくてもいいけれど、今後受験や体育祭など際に発症して、大事なイベントを逃してしまうことも考えられるため、手術を考えるといいかもしれません。」と言われました。

とりあえず抗生剤での保存的治療のために入院することになりました。

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